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言葉にできないを生む5つの原因と対策、上手に言語化するたった一つの方法

言葉にするって難しい…

「え〜…」「あ〜…」「まあ…」とつい言ってしまう。
職場で期待の眼差しを向けられたのにモゴモゴ…
静かに去っていく背中を見て思う、「あの時、何て言えば良かったんだろう…」

言葉にしないといけないことがあるのに、言葉にならない瞬間。
仕事でも、プライベートでも、「何かを言いたいのに、うまく言葉にならない」「あー!うまいこと言えなかった」という経験を、誰もがきっとしたことがあるかと思います。

会社について話す時、会議の最中、商品の説明、社内・社外のプレゼン、交渉、友人への助言、気の利いた一言…うまく言葉で伝えられれば、とても有利なのに、言葉にならないだけですごく不利になること、うまいことを言えば周りの目の色が変わるのに、なんとなく言葉にできず向けられるのは軽い失望の眼差し。

「あー!もっとちゃんと言葉にできたら良かったのに」

そう思うことってありますよね?

言葉にならなければ、ないのと同じ

「言いたいことはあったんだ!」「聞かれたら、ちゃんと言えたのに!」

いくら後からそう思っても、言葉にならないものは、相手からすれば「何もない」のと同じ です。

例えば、海外の大学の授業なども含め、欧米社会では「発言しないなら、いないのと同じ」 とされます。内容云々ももちろん重要ですが、そもそも発言をしなければ、存在していない人とされてしまいます。壁の花。「あなたはどう思う?」と言ってもらえるのは幼稚園までです。

(逆に、幼稚園では毎朝「あなたは今日、何をするの?」と聞かれ、答えなければ何もさせてもらえません。余談ですが、私は幼少期をスウェーデンで過ごしたので、毎朝「何をするの?」と聞かれ、「〇〇をやる!」と答える癖がついていました。帰国後、幼稚園で全員が同じ課題の取り組むことを知った時、初めは全く受け入れられず、最後まで1日おきにしか登園しませんでした。)

日本は、幼い頃から「自分の思いを言葉にする」教育がほぼありません。
そのため、「考えていることを言語化する」機会が圧倒的に少なく、そのために、

・考えているようで考えていない
・いざとなると意見が出ない
・言いたいことがあっても、話がまとまらない

という問題に、大人になってからも直面します。

しっかりと思いを伝える、相手にわかるように事実を伝えるなど、言葉というツールを使いこなすことで、円滑に相手の頭の中に、自分の考えを届けることができます。

オンラインにしろ、リアルにしろ、様々な人と関わって仕事をすること、仲間を作ることがますます大切な時代、「言葉にするのが苦手だから…」と避けて通ることは、できません。

「漠然とした思い」で、終わらせてはいけないのです。

言葉にできない5つの原因と対策

まずは、「言葉にならない」を生んでしまう5つの原因について話します。

1、何を言いたいのか、自分でもわからない
2、実は、言いたいことがない
3、周りを気にし過ぎている
4、論理的に、頭の中を整理できていない
5、言葉にする際の「型」を知らない

それでは、1つ1つの説明と、それぞれの解決法を簡単に解説しますね。

1、何を言いたいのか、自分でもわからない

「言葉にならない」は、実はほとんどがこのパターンです。
「言いたいことがある!」けれど、ちゃんと言葉にして話してと言われると躊躇してしまう、あの感じ。

こちらの解決法については、あとでもお話ししますが、一言で言えば、これが起きる原因は、「自問自答不足」です。

普段、自問自答をすることってそんなにないですよね。
「なんとなく」とグレーにしたまま放置しても、困ることはありません。

しかし、「考えを言葉にする」ならば、グレーをグレーのままに言葉にしたら、聞いた人の頭にはほぼ色なしに見えます。
ほぼ色なしなのに、何かを言おうとしていることを察する結果、「ハッキリして」「よくわからないんだけど」「結局、何が言いたいの?」と思われた上で、そんなことを言葉にされたら、さらに戸惑うでしょう。

おすすめなのは、とあるものに対する意見として、まずは、「イエス」「ノー」で考える。そこから、「なぜ、イエスなのか?」「なぜ、ノーなのか?」を問い、出てきた答えに対し、また「なぜ、そう思うのか?」と何度か問いかけます。
トヨタ自動車では、「5Why分析」として5回「なぜ?」と問いかけることで階層を掘り下げ、原因追及、改善立案などに役立てますが、今回の自問自答においては階層の掘り下げはそこまで重要ではありません。

慣れてくるまでは、自問自答においては、自分の中にある考えに対する精度、感度を上げていくことがまずは大切 です。
考えをうまく言葉にできないとは、とても画質の荒い画面を見ながら、その情景を説明しているような状態です。その一つ一つの違和感、思い、考えの根拠を、少しずつ洗い出し、鮮明にしていく作業が必要なのです。

自分に何度か問いかけることで、考えの精度を上げると共に、荒くなっている部分についての考えを明確にすることから始めましょう。

2、実は、言いたいことがない

「何を言いたいのかわからない」についで多いのが、この「実は、言いたいことがない」です。

冒頭でも話したように、日本人は自分の考え、意見をアウトプットすることを求められる機会が少ないです。
そのため、普段から問題意識を持っていなかったり、色々なことを意識していないために、いざ「何かを言わないといけない」シチュエーションになっても、「考え、主張が、そもそも特にない」ということがあります。
「何も言えなかった」ということに不満を持つのではなく、「そもそも、何か言いたいことはあったのか?」を心に問いかけてみましょう。

「言いたいことがない」をなくす方法は、2つあります。

1つ目は、普段から色々な物事に興味を持つことでう。問題意識の前に、興味がなければ、「自分なりの考え」は生まれません。

2つ目は、様々なインプットをすること、様々な経験をすることです。

不足、経験不足(新しい発見がない、ぶっちゃけ意見がない、問題意識を持って生きていないから本当は主張がない)

3、周りを気にし過ぎている

「こんなことを言ったら、バカだと思われるかな?」
「あの人より、できる人と思われたい」
「話がずれていると思われたらどうしよう…」

相手のことを気にし過ぎる、何と思われるかが不安で何も言えなくなってしまった経験はありませんか?
確かに、会議で空気が止まってしまったり、盛り上がっていた友人同士が一瞬静かになったり、思ったようなはんのうが返ってこないことはとてもこわいかもしれません。

重要なのは「まず、言ってみる」の精神 です。
初めのうちは、「変なこと言うかもしれないけれど」「少し論点が違うかもしれないですが」「自分、バカだからこんなこと考えているんだけど」と自分を守る接頭語をつけて、とりあえず言ってみましょう。
案外温かいリアクションをもらえたり、良い意見だと言ってもらえるかもしれません。

言葉というのは、言葉を使わずしてうまくなることはありません。どんなにインプットを頑張っても、言葉の勉強の本を読んでも、実際に自分が(たまに失敗しながらも)実践で学ぶしかないのです。

一言でも良いから言ってみる。書いてみる。
SNSなどは、書いてみて思ったような反応が来なければ、こっそり削除すれば良いのです。炎上することなんて、確率から考えれば相当低いのですから。(私はかつて、ピアノの演奏動画をYouTubeにあげて炎上しました。たまにはそんなこともあります)むしろ「あまり見られずがっかり」することの方が多いかもしれません。

「誰も大して聞いていない」「誰も読んでいない」「誰もこちらが思うほど気にしていない」を胸に刻み込み、恐れず言葉にしてみましょう。

4、論理的に、頭の中を整理できていない

特に女性などで、「うまく説明できない」という人が多いですが、原因は、「頭の中で、情報を整理できていない」ことです。

言葉にする前に、頭の中にロジックツリーや、数式の形で、言いたいことの論理を整理します。慣れないうちや、慣れてきたとしても、紙に書くなどの行為で「頭の中を可視化する」ことは、思考の整理にとても役立ちます。

どの情報と、どの情報が並列なのか、どの情報からどの情報が導かれているのか、根拠は何かなどを、系統立てて考えます。

言葉にする時は、「だから」「そして」「また」「しかし」「さらに」などの接続詞を使い、情報の関係性を適切に示すことで、聞き手にとって理解しやすい言葉になりますよ。

5、言葉にする際の「型」を知らない

言葉、意見の言い方には、一定の「型」があります。

一般的で、いつでも使える定番の型を、ここではご紹介しますね。

意見をいう時、考えを伝える時によく使われるのは、「主題(結論)」「根拠(理由)」「(事例)」「まとめ」という型です。
日本人におなじみの流れ、起承転結ではありません。

文章の執筆などでいきなり主題から入るのがおかしいい場合は、主張の前に「導入」として、聞き手に興味を持たせるための短い話を入れても良いです。

まずは、上の「主題(結論)」「根拠(理由)」「(事例)」「まとめ」の型に、自分の言葉にしたいことを当てはめてみましょう。
一文ずつで簡単でも良いので、やってみるときっと「自分の言いたいことの骨子」がわかりますよ。

必殺!インタビュー術

ここまで、「言葉にできない」5つの原因と対策についてお話ししました。

ここでは、日本人に特に多い、「1、何を言いたいのか自分でもわからない」「2、実は言いたいことがない」を解決するための必殺技をお伝えします。
名付けて、「一人インタビュー戦法」です。

「私は〜〜。」と話すのって、結構難しいのです。例えば、私は普段からラジオの対談相手をすることがよくあるのですが、質問されると言葉が出てくる(思考がまとまりだす)ということはよくあります。

「一方的に、思いのままに話してください」と言われてしっかりと話せる人は少なくて、「どうしてそう思うんですか?」「どんな場面でそう感じますか?」「それは、このことと関係ありますか?」「それを、実際にやる時に気を付けることはありますか?」と質問されることによって、ボヤっとしている意見、主張、考え方、自分の言いたいことの輪郭が明確になります。

このように、自分に対してインタビュー的な思考をした上で、自分に関して、他人に「説明してあげる」「翻訳してあげる」意識を持つ のです。

「彼女は、○○についてこう考えています。なぜなら、~~という理由があるからです。彼女がこれに気付いたのは・・・」と第三者として、自分の主張を語る視点を持ちます。

私自身、色々な方のプロデュースをさせてもらうことがありますが、結局「セルフプロデュースほど難しいものはない」と思います。
自分のことは、とにかく見えません。
客観的に言おうとしても、どうしても主観が入るため、他人に「わかりやすく伝える」ことはとても難しいです。

自分の言いたいことをそのまま言葉にするのではなく、インタビュアーのように自分の意見を引き出し、「なんでその思考なったの?」と自分に問いかけること。
これが、自分の意見を上手に言葉にするための必殺技です。

声が大きいだけ、でも言わないよりはマシ

たまに、「あの人は声が大きいだけで、大したことを言っていない」なんて言う人がいます。
(幼い頃を私は全く意見を言えず、と言って後から文句も言えない性格でしたが、いつからか「声が大きい側」の人になっていました。)

確かに、声が大きい人の意見は通りやすいです。また、その人が、大したことを言っていない可能性もあります。
ならばとりあえず、「自分の意見も、大きな声で言え」というのが私の考えです。

もちろん、戦う必要はありません。お互いに意見を出し合い、より良い結論を導くための話し合いもあるでしょう。
「意見を言い合う」というのは決して争いではありません。

でも、後から言う、「うまく言えないけれど、何か違うと思う」はとても印象が悪く、その場にいた全員の大切な時間に対して、しっかりと貢献しなかったという非常に無責任な発言です。

もちろん、後からより良い案が浮かぶこともあると思いますから、後から言うことが一概に悪いわけではないです。
しかし、その場合は、「話の流れを理解した上で、なぜ自分が、後から改めて意見を言う必要があると思ったか」を、他者にわかるようにしっかりと伝える必要があります。

最初に、「とりあえず発言する」ことが重視される欧米文化の話をしました。
大きな声で発言している人も、心の中では「確信が持てているわけではないけれど、ここで誰かが意見を言わなくては、良いも悪いも、何も意見が出ない。とりあえず、言っちゃえ!」と思っているかもしれません。批判されること前提で、特攻隊のように突っ込まないといけない瞬間というのが、しばしばあるのです。(私は、この役割を自分が担ったこと、そして後から陰口を叩かれたことも数え切れないくらいあります)

でも、何も言わないよりもマシです。コミュニケーションをする場、意見を出し合う場なら、言わないのは「逃げ」でしかないのです。
怖くても、自分のプライドを捨ててでも、発言する勇気を持つのです。

言葉のせいで、傷つくこともある

「言葉にすると、うまく伝わらない」
「言葉にしたことで、誤解されてしまった」
「変なことを言ったせいで、嫌われてしまった」
言葉にしたせいで、そんな思いをしたことがある人もいるかもしれません。

どんなに気を付けても、自分と相手の頭の中、言葉の定義、前提条件、思考背景は違うので、誤解をされてしまうことはあります。
それで、傷付けたり、自分が傷付くこともあります。

でも、「何も言葉にしない」よりは、伝わるものがあります。
そして、「言葉にする」はやればやるほど上達します。

誤解されて離れる人、ある一言で離れる人は、遅かれ早かれ「離れる人」なのです。
本当に、あなたのことを思っていて、あなたのことを理解しようとしていて、あなたの意見を聞きたい、考え方を聞きたいと思っている人は、そんなことでは離れません。
「たった一言が、自分の期待していたものと違ったから」と言って、疎遠になることなどないのです。

「離れる人は、遅かれ早かれ離れる」と知った時初めて、「理解してくれて、離れない人」の大切さがわかります。

とにかく「言葉にする」しかない
・言いたいことがあるなら
・自分を見て欲しいなら
・仲間が欲しいなら

・言いたいことがあるなら、
・自分の主張をしたいなら、
・自分の考えを誰かに聞いて欲しいなら、
・自分の考えと同じ考えの人を見つけたいなら、
・自分についてわかって欲しいなら、
・本当の意味での仲間が欲しいなら、

頑張って、努力をして、言葉にすべきです。
自分から言葉にしないで、「わかってくれない」はあまりに傲慢です。

あなたがよほど有名とか、著名人、人気者なら、あなたの意見をぜひ聞きたいと思う人もいるでしょう。
でも、そうでないならば、自分から言葉にするしかありません。
他の人は、様々なあなたに言葉にわざわざ耳を傾ける必要なんてないのですから。

 

言葉にすることで、世界を変えよう

人は、人と共に生きています。
「言葉」は、コミュニケーションでお互いを理解し合うために、上手に使えればとても有効な手段です。

世界には、73億人の人がいるという中、
一生の中では、何らかの接点を持つ人が30000人、
学校や職場、仕事などを通じて、近い関係になるのが3000人。、
親しい会話をできる関係を築ける人が300人、
と言われます。

今は、インターネットが発達し、より多くの人に言葉を届けたり、コミュニケーションすることができるようになりましたが、「何かしらの形で、言葉が届く範囲」に入ること自体が奇跡的な確率なのです。

出会わなければ、その間には何の関係もない。
人間関係は常にゼロベースで、積み上げていくものなのです。

そして、縁があれば、お互いの信頼、興味、好意があれば、簡単に離れることはありません。

言葉にすることで、傷つけること、傷付くことはこわいかもしれません。
誰かと違う意見、考えを持ってしまった時、それを自分で認識することは、嫌かもしれません。

それでも、言葉にしましょう。

「言葉にしにくい何かがある」時こそ、より強い関係性を作れるように、自分の考えを伝え、相手の考えを聞き、肯定するでも否定するでもなく、「そうなんだね」と認め合えるチャンスです。

言葉にしましょう。
あなたが、戸惑いながらも、「こんなこと言っていいのかな?」と思いながらも言葉にしたことが、あなたを、あなたの周りにいる人を、あなたの周りに集まってくる人を変えて、あなたの世界、そしてこの大きな世界を少しずつ変えていくかもしれないのですから。

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