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人は、どうしようもなくストーリーを愛している

人は物語る

人は、ストーリーを愛しています。

よく「ストーリーが大事」「ストーリーブランディング」「ストーリー戦略」などと言いますが、それがなぜ有効なのか、いまいちピンと来ない人もいるのではないでしょうか?
私は、「ストーリー戦略」などと言われても全然ピンと来ないし、社長のストーリー、会社のストーリー、誰かのストーリーに共感して感動することも、そんなに多くありません。(「だから何?」「偶然でしょ?」などとよく思ってしまいますから…)

ですから、この記事では、人は、物語の3要素と共に、ストーリーを愛しているということをもう少し掘り下げて話します。
そして、あなたのストーリーについて改めて考えて欲しいと思います。

人は、どうしようもなくストーリーを愛してしまう生き物なんですよ。
もしも、その物語の主人公がパッとしなくて、ここ一番でうまくいかなくて、良い方向に行ったと思ったらまた戻ってしまって、何とかしたいけれど後一歩がいまいちで…という歯切れが悪いものだったとしても。

人は問いを立てる

人はいつも、自分に問います。

古代ギリシャ時代から、現代まで、あらゆる人が問いを立てる定番の命題。
「なぜ、生きているのか?」

私たちは毎日のように自分の心に問います。
「なぜ、このようなことが起きたのか?」
「なぜ、傷ついたのか?」
「なぜ、あんなことを言ったんだろう?」
「なぜ、あの人はあんなに腹を立てたのだろう?」
「なぜ、怒りの矛先は自分にむかったんだろう?」
「なぜ、こんな不遇に陥っているんだろう?」
「なぜ、何となく不満なんだろう?」
「なぜ、あの人は楽しそうなのに、自分はこんななんだろう?」

なぜ、なぜ、なぜ、なぜ…と問いを立てることが好き。
なのに、基本的に脳は怠け者であり、長期的に、ずっと考えることは嫌いです。

手っ取り早く、答えにたどり着きたいと思っています。
ですから、

「なぜ…?」に対して「〜〜だから」というそれっぽい答えがあれば、すぐに飛びついてしまいます。

前提、理屈、問いの内容が少々めちゃくちゃでも、時間軸、原因(と思われるもの)、結論があれば、納得できるストーリーは成立しますからね。

ただ「納得」したい。
「なぜ?」という問いの答えという、「空白」を埋めたいのです。

ストーリーの3要素

ストーリーが成立するには、主に3つの要素が必要です。

1、時間軸
2、周りとの関係性
3、原因と結果

少し細かくみましょう。
1、時間軸
過去、現在、未来といった時間軸です。点だけで成立するストーリーはほぼありません。ストーリーは、点と点を結ぶ線を生み出すことであり、前後に関連する事柄があります。

2、周りとの関係性
ストーリーにおいての登場人物が自分一人ということはあまりありません。幼稚園、小学校、中学、高校、家族、親戚、お隣さん、友達、先生など様々な登場人物がいて、周りの人たちと共に、スローリーは進行します。

3、原因と結果
物語の真骨頂といえば、この「原因」と「結果」でしょう。原因となる物事が起こった時はあまり意識しませんが、「結果」と思われる何かが起こった時、「原因」は急に脚光を浴びます。

この「原因」と「結果」の鉄板、そして時代を超えて愛される考え方が「因果応報」です。

究極的に甘い蜜、因果応報

わからないものは、怖い。
どうなるかわからない状況は、不安。

私たちは、とにかく「理解したい」「納得したい」のです。

時系列で事物を並べても、それに関連性は見出せません。
そんな時、一番手っ取り早く、スッキリと納得できるのが「因果応報」の法則を適応すること です。

「……のせいで(おかげで)、〜〜になった。」

根拠が全く意味不明でも、どう考えても無関係でも、
「……のせいで(おかげで)、〜〜になった。」という形式になれば、納得できるのです。

理不尽は、未来に大きな不安を生みます。
99%の潜在意識のために、結果的には何度でも同じ失敗をするのですが、顕在意識は常に、私たちは嫌なことがあったら繰り返さないように「学習」をしたいと思っているのですから。
荒唐無稽なストーリーでも、説明がないよりはマシなのです。

因果応報なら、責める相手がいる、納得できる

因果応報とは、「過去における善悪の業に応じて現在における幸不幸の果報を生じ、現在の業に応じて未来の果報を生ずること。」(広辞苑)とされます。

良いことをすれば良いことがあり、悪いことをすれば悪いことが起こる、公正な世界です。
因果応報の良いところは、「原因」という「責める対象」がいることです。

それは、他人かもしれませんし、もしかしたら過去の自分かもしれません。
人によっては「前世」という人もいますね。

「原因」というよりどころがあり、「結果」が生まれたというストーリーを作れるのです。

「自分が弱かったから」
「自分があの時、言えなかったから」
から、
「そういう性格に育てられたから」
「あの出来事で、そういう考え方になってしまったから」
そして、
「家庭、育て方がそうだったから」
「前世で因縁があるから」
などと、どんどん遡ることもあるかもしれません。

「原因」と「結果」をセットにして、「……のせいで(おかげで)、〜〜になった。」という物語として認識したいのです。

実際には、人生なんて、偶然や理不尽の連続で、原因も、根拠もなく起きることだらけ。
その起きた結果に対して「原因は……」と言い訳力の限りを尽くしているだけなのですけどね。

ストーリーこそが、生きた証

でも、これほどまでに人がストーリーに固執するのも、無理もありません。

デカルトは、「我思う、ゆえに我あり」として存在を証明しようとしました。
しかし、これはあくまで自分という主体が仮にあれば成立する話であり、客観性はありません。

そして、この「主体的な自我」を証明するものは過去と、周りとの関係性だけだからです。そこから、自分を世界を把握するのです。
実際には、自分の細胞は数ヶ月で全て入れ替わり、子供の頃の自分と今の自分、そして未来の自分を永遠に繋ぐ物体的なものは一つもないのにも関わらず。

人は、「自分である」というアイデンティティを、手放したくないのです。そのため、時系列、周りとの関係性、そこから生み出される「原因」と「結果」というストーリーから離れることはできません。

時間軸をずらす

ここまで読んで、きっとストーリー(時間軸、周りとの関係性、原因と結果)というものに、思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか?

『嫌われる勇気』でも日本でも有名になった心理学者、アドラーは「原因論」を否定し、「目的論」を提唱しました。
「人間の行動には、全て目的がある」として、「なぜ、その行動をするのか?」ではなく、「何のためにその行動をするのか?」を考えるという立場です。

多くの人は現在視点の状況を目の前にして

「なぜ、こんな目にあったのか?」

と考えます。これは、「不幸の原因探し」という作業で、見つけられた答えは、所詮過去の産物でしかありません。

一方で、未来視点捉えるとどうなるでしょうか?

「なぜ、こんな目にあったのか?」という問いを、
「こんな目にあったことで、私は何を得るのだろうか?」と転換するのです。

大切なのは、このように考えようと意識し、色々なもの、事柄への意識について考えることです。

 

編集で、人生を作っていく

先日、海外の有名なカウンセラーの方が、自分の仕事について聞かれた時に、「編集者」と答えるという話をしていました。
人は、無自覚に、人生の様々な出来事について意味を付与し、ストーリーを作っている、それの解釈を変え出来事に対する捉え方を変えてもらう手助けをするのがカウンセラーだと言っていました。

自分についてどう語るのか、人生で起こる出来事を認知し、どう対峙し、どう対応するのかが、その人の生き方を決め、人生を決めているのです。

今起こっている出来事について、どう捉え、何を学んだ自分を作るのか、未来の自分のストーリー、物語を作りながら生きている自覚を持つことが大切なのです。

アウシュビッツの絶望の中を生き抜いた、精神科医フランクルの『夜と霧』『それでも人生にイエスと言う』にはこのような言葉が出てきます。

「人生に対して何かを期待する」のをやめた。「人生は、自分に何を期待しているか」と考える発想の転換があった、と。
我々は問われている存在なのだ。「人生こそが、生きる意味を我々に問いているのだ」と。

人生が、世界が、未来が、今の自分に対して、何を期待しているのか、どんな意味づけをするのかをという視点を常に持つのです。
この身体、私という存在を使って、どう世界に貢献していくのかを考えるのです。

素晴らしい物語を作ろう

生きていると本当にいろいろなことがあります。
絶望したり、自信を無くしたり、もう踏んだり蹴ったりなこともたくさんありますし、もちろんとても素晴らしい瞬間、楽しいことなどもあります。

そして、ストーリーという話で覚えておいて欲しいのは、その時々でどんな瞬間があったとしても、人生が続いていくかぎり、出来事の意味を塗り替える、ストーリーを変えるチャンスは常に、そして無限にあるということです。

登場人物はたくさんいても、あなたのストーリーはあなただけのものです。
そして、主人公はあなたで良いのです。

よく、「誰かのためにが大事」「自分のことばかり考えるな」と言いますが、初めから「自分」にフォーカスせず、他人のために生きられる人なんていません。まずは、自分にフォーカスして、いつか飽きますから、そこから他人について考えるのでも良いのですよ。

でも、自分が主人公なら、なおされ素晴らしい人生というストーリーを作りたくなります。
そうすると、やっぱり周りの人に優しく、社会に貢献して、世界に貢献した方が嬉しいと感じる時があります。

あなたのストーリーはあなたが作るけれど、あなたを証明するのは、あなた自身ではなく、あなたの周りの人の認知、記憶なのですから。時に、あなたの言葉、あなたの行動が誰かのストーリーを大きく変えることもあるのですから。

人生はストーリーです。
あなたのストーリーをどう作るか、誰かのストーリーがどうなっていくか、あなた次第でもあるのですよ!

ノーベル書店の「novel」には、人生のストーリーという意味を込めています。

あなたの言葉、ストーリー、行動が誰かの人生を変えるきっかけになるかもしれない。
そんな思いで「書いても、書かなくても良い出版」をしています。

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